第4回「デフォルメ系レーシングの偉大なる元祖」 マリオカート
(SFC/1992年8月27日)
開発・発売:任天堂
プレイ状況:完全クリア
コラム本文(執筆日:2005年3月18日)
 前回の鬼哭街が2002年発売なのでちょうど10年ほど遡ることになります。初代であるSFC版マリオカートが今回のお題です。
 さて自分が知る限り、かのような、アイテム要素を取り入れたりして、リアル系から外れていく方向でデフォルメされたレーシングゲームの元祖です。もしかしたら前があるのかもしれませんが、少なくともここが爆心地になったことは間違いありません。ほとんど新しいジャンルを開拓したようなものでその功績は素晴らしいと思います。
 また、あまりにも独自性が強すぎて似たようなゲームはなかなか出なかった感じがします。まさにカリスマ。……PS時代に入ってからチョコボやボンバーマンをネタに、似たようなゲームが出ていたようですが。
 このゲームを先日、再プレイする機会があって、なかなか感慨深かったです。最高難易度コースである150CCスペシャルカップで金取るどころかレインボーロードまでなんとかたどり着いた挙句、ゲームオーバーしたのには愕然とさせられましたが。100CCスペシャルカップですら銀だったのには涙が止まらないです……
 小学校入って1~2年経った頃に買ったので、多分発売直後ではなかったと思います。小3くらいまでは両親ともゲームをやってまして、特にこのゲームにハマッていたのはお母さんでした。当時、お母さんの方が上手くて、150CCスペシャルカップで先に金を取られてしまったのも今では良い思い出。その時は2Pプレイで自分もしてたのですが、銅止まりでした。それ以降、やり尽くしたのでお母さんはプレイしなくなり、自分は単独プレイになりましたが、なんとか金取ったのも記憶に残っています。また2人が全クリしてからさらに後には妹も結構やってました。だから、かなり長い間プレイしてることになります。ちなみに使用キャラですが、自分はキノピオとマリオ(後にマリオonly)、お母さんはノコノコ、妹はノコノコ(後にピーチ)でした。

 確かに荒削りな部分はあります。高難度になるに従って、敵キャラが地面置きアイテムをジャンプ避けしたり、プレイヤーが近づくとアイテムを連射し出したりと不条理感がします。特にマリオとルイージのスターとクッパの炎玉はエグい。後はバランス面も結構適当な感じが。アイテムの効果が違いすぎる点については意図的な物なので許容するにしても、GPモードのポイント数はもうちょっと調整した方が良かったような。点差が大きいので逆転が非常にしにくいと思いました。後、CPUがダッシュ板使えないのも不公平な感じがします。
 しかし、それらの欠点より、優れた点の方がはるかに多いです。……優れた点というか、これが元祖なので「功績」と言うべきですね。一番大きな功績は「家庭」向けに、皆でワイワイ遊べるゲームになるよう調整したことだと思います。
 そもそも親しみやすいマリオのキャラクターを前面に押し出して、「車」でなく「カート」にしたこと自体が大胆。そしてアイテムやショートカットの存在も大胆極まりないと思います。細かく見ていくならキャラクターを最高速重視・バランス重視などと分かりやすく4タイプに分けたり、強力なアイテムによって下手な人のフォローをし、同時にショートカットを使える等で上手い人のフォローも行った事ですね。
 後は……なんというか遊びの部分というか、重要ではないけど使えれば有利なテクニックを置いておいたことですね。その結果、やり込めるゲームにもなったのは必然かと。現在も世界中でタイムアタックが続行されてるようです。タイムアタックではアイテムの要素が消えますが、ジャンプとドリフト、そして普通のプレイヤーはあまり知らない「ミニターボ」、これらの組み合わせによる奥深さに驚きました。その手のサイトでテクニック集と世界最高タイム見ましたが、かなりヤバいです。
 思うにN64で出た続編、マリオカート64の欠点――大きすぎるショートカットや各種バグ、強力すぎるアイテム――は、マリオカートで培われた素材をさらにゴテゴテと飾り立ててしまったことに全てが起因するような気がします。確かにマップの3D化は必然であったろうし、前作から変化を行おうとしたのは分かるのですが……

 というわけで今回のコラムはこれで終わりです。流石に古すぎる上に続編が2作も出てるので、強烈に薦めるという物でも無いのですが、昔買ってプレイしたという人は再びSFCを引っ張り出してプレイするのも良いかと。新たな発見があるかもしれません。あ、そういえばGBAでもSFC版をベースにパワーアップしたのが出てます。そちらでもプレイするのも良し。



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